FX業界のレバレッ規制ジとアフィリエイト規制の動向

レバレッジとアフィリエイト規制でFX業界に大打撃

この夏、FX(外国為替証拠金取引)業界を再び荒波が襲う。

 

昨年8月、金融庁はFXに対し、レバレッジを50倍までとする規制を導人した。業界は大いに揺さぶられたが、これは経過措置だった。今年8月からは、さらに25倍までに規制される。

 

50倍規制では、事前の予測どおり、業界全体で取引高が約3割減となった。ただし、実際の影響度は、業者によって差があった。「取引高2割減と踏んでいたが、実際には1割減。期間も規制導入後3ヵ月間ぐらいで、むしろ相場が動かない影響のほうが大きかった」。他の業者でも、もともと高レバレッジの顧客が少なかったところでは、I割減程度だったと口をそろえる。

 

一方で、当然だがより大きな打撃を受けたのは、高レバレッジ・高回転型の顧客を中心としていた業者だ。「35〜40%の減だ。3ヵ月で回復などとても信じられない。ウチはまったく回復しなかった。取引高は徐々に戻ってはきているが、今でも昨年より少ない」。業者によっては、5割減に至ったところもある。

 

顧客自体はむしろ増えているという。レバレッジ規制によって、1人当たりの取引額が減ったのである。25倍規制の影響についても、見方が分かれる。今回はフタを開け
てみないとわからないところがあったが、今回は客もわれわれも慣れているので、それほどの影響はないだろう」、「50倍よりも25倍のほうが、該当する投資家の範囲が広い。前回影響が少なかった会社ほど、今回は大きな影響を受けるのではないか」結局、現時点では影響は未知数というほかない。

 

『アフィリエート禁止』を主張する証券会社

他方で、もう一つ、業界を揺るがす動きがある。「アフィリエイト」に対するなんらかの規制導入が、確実視されているのだ。

 

アフィリエイトとは、インター・ネット上の広告の一形態で、ブログやウェブサイトの記事に企業へのリンクを貼り、そのリンクを通じて商品やサービスが購入されれば、記事の書き手に成功報酬が支払われる仕組みだ。

 

問題視されているのは、FX関連のブログ記事である。。記事々の体裁を取りつつ、実際には特定のFX会社を持ち上げた内容になっている例が多い。これでは記事全体が、金融商品取引法で規制される「広告」に当たるのでは、という指摘だ。

 

問題の発端は、アフィリェート料金の暴騰だ。口座開設1件で10万円、といった例まである。″ヨイショ記事'が氾濫しても無理はない。「行儀のよくない業者がいる」(業者幹部)結果である。現在、業界団体である金融先物取引業協会でガイドライン策定のための議論が行われているが、業界内での立場の違いは大きい。
アフィリエイト禁止を推すのは、証券会社勢だ。ある会合の席上では、某大手証券の代表が、強硬に全面禁止を主張したという。

 

FX事業を行っている証券会社にとっては、アフィリェイト禁止はなんら不利にならない。もともとアフィリエイトをあまり活用していないううえに、株式取引などでの顧客基盤があり、それをFXに誘導できるからだ。また証券会社には、店頭FX(業者による、いわゆる普通のFX)よりも、「くりっく365」「大証FX」の取引所'FX(公設の取引所によるFX)に力を入れているところが多い。これらは、株取引を行っていた顧客にはよりなじみやすく、誘導もしやすい。

 

戦々恐々としているのは、店頭FXを中心とする、FX専業の業者だ。「多くの会社が、新規口座の半分以上をアフィリエイトで取っている。規制のされ方によっては、レバレッジ規制よりも影響が大きいかもしれない」(専業FX会社幹部)。

 

落としどころ゛としては、ブログの記事内容を業者が管理し、問題ないと判断される場合のみ、アフィリエイトを提供する、といったかたちも考えられる。ただし、複数の関係者からの情報によれば、当局もかなりの程度、この動きに噛んでおり、「ガイドラインよりも踏み込んだかたちになるかもしれない」という。結論は近いうちに出るもようだ。

取り巻く環境は厳しくなる一方

大多数のFX業者にとっては、レバレッジ規制で取引高を抑えられ、アフィリエイト規制で新規口座の獲得も抑えられることになる。今後は、生き残りをかけて熾烈な闘いが繰り広げられるだろう。

 

レバレッジ規制は、単に取引高減少による収益減をもたらすだけではない。レバレッジが下がると、取引の回転も落ち、投資家はポジションを保持する傾向が強くなる。FX業者は、抱えるポジションに応じた額の証拠金を、レートの仕入れ先である「カバー取引先」の銀行に積まなければならない。つまり、収益は減るのに、コストは増えるのだ。

 

証拠金の担保率を引き上げられるなど、銀行から不利な扱いを受ける業者も増えるだろう。「この先、体力のないところはカバー取引先に切られてしまう。そうなれば、レートが出せなくなる」。為替レートは、FX業者の商品そのものだ。つまりは、商売ができなくなるということである。

 

少なくとも、仕入れ先が減れば、顧客に有利なレートを提示することが難しくなる。最近、カバー取引先を増やす動きが活発だが、これはFX業者のリスク対策だ。「体力・資金力・信用力の勝負になる。耐えられない業者は退場するはかない」。

 

レバレッジ規制による業界″健全化々で期待された、新規顧客層の流入は、いまだ起きていない。株式投資家や長期投資の富裕者層は、取引所FXに流れているのが現実だ。店頭FXでは、変わらずドル円、ユーロ円、ポンド円か人気なのに対し、くりっく365で最も取引が多い通貨ペアは豪ドル円だというのは、その表れだ。

 

2012年より、業者の悲願であった店頭FXと取引所FXの税制一本化がなされるのは明るい材料ではある。だがコンサルタントとして長らく業界を見てきたとあるセミナー講師は、二本化されても、もはや店頭FX業者は食えない」と断じる。

 

「生き残るためには、グローバル企業とくっつくか、同業者へのレート配信など裏に回るか、実需や法人など、まったく新しい顧客層を取り込むか。従来のビジネスモデルは崩壊している。考え方を変えない限りはダメだ」業者の淘汰は、加速必至だ。これまでも、水面下では売却や合併を模索する動きが多々ありつつも、条件面で折圧人口わなかった。次の名月で規制が一段落すれば、。値決め"がしやすくなる。動きが、一気に表面化する可能性は高い。